病院などに勤務する看護師の多くが感染症の恐怖と戦っていることだろう。
近年、世界中を騒がせている新型コロナウイルス(COVID-19)の影響もあり、これまで以上に医療従事者の感染予防の徹底が求められている。
患者と濃厚接触せざるを得ない医師や看護師などは特に注意しなければならないため、医療機関によっては特別に感染症対策チーム(インフェクションコントロールチーム:ICT)を設置するといった対策が講じられているのが実情だ。
病院では一般的に、診療する人に対して何らかの感染症があると仮定して対応にあたっている。
標準予防策とされているのは、手指衛生を基本とし、マスクやゴーグル、プラスチックエプロン、手袋などを用いた対応である。
もしも明らかな感染症が疑われた場合には、通常の対応に加えてさらに感染経路別に空気予防、飛沫予防、接触予防の3つの予防策が適応される。
その際に用いられる対応策は、空気感染予防としてN95のマスクやワクチン接種、飛沫感染予防ではサージカルマスク、接触感染予防のためにガウンや手袋などの使用だ。
その他に、個室隔離や患者の行動制限など、感染症状によってさまざまな予防策が実施されている。
院内での感染症対策も重要だが、医療従事者側の意識も大切である。
自身が病原体の媒体者になる可能性も考え、小さな体調の変化にも気付けるように日々の健康管理をしっかりと行うことが求められている。
また、日常的に行われている注射の針刺し時も注意が必要とされており、作業環境の整備による予防策が講じられている。